日本看護科学会誌
Online ISSN : 2185-8888
Print ISSN : 0287-5330
ISSN-L : 0287-5330
資料
バーチャルリアリティを用いた手指衛生教材の使用可能性の評価
竹下 悠子山川 みやえ内海 桃絵
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2021 年 41 巻 p. 234-240

詳細
抄録

目的:手指衛生教育用にバーチャルリアリティ(VR)を開発し,教育への使用可能性について2次元映像と比較した.

方法:看護師を対象に非無作為化比較試験を行った.VR群と2次元映像群に分け映像視聴と講義を行った.映像の評価は視聴直後に,手指衛生のタイミングは視聴前後,1か月後に調査した.

結果:VR群と2次元映像群の比較では,映像の5件法の評価(中央値)は手指衛生の重要性が理解できた(5.0, 4.0 p = .024),実践を想起した(5.0, 4.0 p = .008),学習方法は効果的だった(5.0, 4.0 p = .046)であった.タイミングの「患者周囲の環境に触れた後」と記述できた割合はVR群で視聴前30%に比べ視聴後90%(p = .040),1か月後60%(p = .233)であった.2次元映像群では視聴前20%に比べ視聴後80%(p = .040),1か月後80%(p = .004)であった.

結論:VR群では重要性の理解,実践の想起,学習の効果の評価が高かった.VRは手指衛生教育に使用可能と考える.

著者関連情報
© 2021 公益社団法人日本看護科学学会
前の記事 次の記事
feedback
Top