目的:看護大学生の臨地実習指導者に対する援助要請に関する尺度(以下,援助要請尺度)を開発し,その信頼性と妥当性を検証する.
方法:11都道府県の看護系大学の3,4年次生2,120名を対象とし,質問紙調査を2020年2月に実施した.質問項目は援助要請尺度案(40質問項目),属性,援助要請スタイル尺度であった.また,2大学の375名に再テストを実施した.
結果:808名(有効回答率38.1%)を分析対象とした.項目分析と因子分析により,2因子「非要請コストの自覚」と「被援助利益の自覚」8質問項目を抽出し,モデルの適合度を確認した.尺度全体と援助要請スタイル尺度との相関は回避型(r = –.257),自立型(r = .311)であった.クロンバックαはα = .836であった.また,再テストでは116名(有効回答率30.9%)を分析した.級内相関はr = .860であった.
結論:2因子の内容に基づき,尺度名を「看護大学生の臨地実習指導者に対する援助要請の意思決定尺度」に修正した.