2021 年 41 巻 p. 354-362
目的:パーキンソン病療養者の家族介護者におけるファミリーレジリエンスを明らかにすることである.
方法:家族介護者11名を対象に半構造化面接を行い,質的記述的に分析した.
結果:家族介護者は,逆境の中でも希望を持ち,【揺れ動く症状に左右されない前向きさ】を原動力として困難に対処していた.そして,生活を共にする中で培った【家族の力の柔軟な発揮】をし,理解されにくい難病でも【心の壁を作らない家族の理解者とのつながり】を構築していった.家族員各々が無理のない対処方法を見極め【症状と共に揺れ動く状況の日頃からの共有】により長期の療養生活にも対処していた.次第に家族は自信を深め,【揺れ動く症状に左右されない前向きさ】に立ち戻っていた.
結論:本研究で示したファミリーレジリエンスが,家族介護者の負担軽減や家族の相互理解の促進に寄与する可能性が示唆された.