2021 年 41 巻 p. 395-404
目的:きょうだいが小児集中治療室(以下PICU)に入院中の子どもに面会する場で,医療者はきょうだいと両親の状況をどのように捉え,きょうだいをどう支援しようとするのかを明らかにする.
方法:PICU入院児ときょうだいの面会場面,15場面の観察と,看護師9名,Child Life Specialist 5名,PICU専従保育士1名の計15名へのインタビューを行い,グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した.
結果:医療者による【きょうだいの居場所をつくる】《きょうだいと入院児をつなぐ》《きょうだいと両親をつなぐ》という働きかけが適切に行われ,《両親によるきょうだいとの体験の共有》が行われることで,《きょうだいと入院児を含めた家族の一体感》が生じていた.
結論:面会の場が,《きょうだいと入院児を含めた家族の一体感》のある場となることが望ましく,そのためには,医療者が【きょうだいの居場所をつくる】という働きかけを行った上で,両親が適切にきょうだいと体験を共有できるように支援することが重要である.