目的:乳児とふれ合う経験がない初産婦を対象に,乳児と対面で接触する効果を検証する.
方法:2群比較のランダム化比較試験.2群は1)30分間乳児と接触する対面接触群と,2)30分間,乳児の遊び,直接授乳,眠る様子の映像を視聴する映像群である.アウトカムは対児感情評定尺度の接近得点と回避得点,状態不安得点の介入前後の変化量である.
結果:接近得点は両群で介入後に上昇し,変化量は対面接触群3.5 ± 3.5,映像群1.2 ± 3.6で対面接触群の方が有意に増大し,効果量は中だった(t = 2.896, p = 0.01, d = 0.66).回避得点と状態不安得点の変化量は,両群に有意な差はなかった(t = –1.530, p = 0.13, d = 0.34; t = –1.243, p = 0.22, d = 0.29).
結論:2群比較の結果,接近得点の変化量は対面接触群の方が有意に上昇した.両群で介入後の接近得点は上昇,回避得点と状態不安得点は減少した.本結果より,初めて母親になる妊婦と乳児との接触やケアを創る必要がある.