日本看護科学会誌
Online ISSN : 2185-8888
Print ISSN : 0287-5330
ISSN-L : 0287-5330
原著
看護基礎教育における正確な血圧測定のための「状況基盤型教育プログラム」の開発と効果の検証:無作為化比較対照試験
渡邉 惠飯岡 由紀子常盤 文枝朝日 雅也
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2022 年 42 巻 p. 528-539

詳細
抄録

目的:正確な血圧測定の実践能力習得にむけた「状況基盤型教育プログラム」を開発し,その効果を検証する.

方法:A大学2年次生の介入(状況基盤型教育)群23名,対照(従来型教育)群25名に無作為化比較対照試験を実施した.「バイタルサインの正確な測定 実践能力チェックリスト(VSAMチェックリスト)」を用いた客観的臨床能力試験(OSCE)と「状況対応能力自己評価表」を用いて効果を比較した.

結果:VSAMチェックリストでは,測定方法の説明や安楽の保持など,患者への対応力を示す4項目で介入の効果が認められる傾向にあった.状況対応能力自己評価得点は8項目で両群に教育前後の得点の有意な上昇がみられ,中でも「患者の状況の変化にうまく対応することができる」は両群ともに5段階のうち1.1以上と最も上昇した.

結論:本教育プログラムは,患者への対応力を高める効果の可能性が示され,看護基礎教育において効果的な教育手段となり得る.

著者関連情報
© 2022 公益社団法人日本看護科学学会
前の記事 次の記事
feedback
Top