目的:正確な血圧測定の実践能力習得にむけた「状況基盤型教育プログラム」を開発し,その効果を検証する.
方法:A大学2年次生の介入(状況基盤型教育)群23名,対照(従来型教育)群25名に無作為化比較対照試験を実施した.「バイタルサインの正確な測定 実践能力チェックリスト(VSAMチェックリスト)」を用いた客観的臨床能力試験(OSCE)と「状況対応能力自己評価表」を用いて効果を比較した.
結果:VSAMチェックリストでは,測定方法の説明や安楽の保持など,患者への対応力を示す4項目で介入の効果が認められる傾向にあった.状況対応能力自己評価得点は8項目で両群に教育前後の得点の有意な上昇がみられ,中でも「患者の状況の変化にうまく対応することができる」は両群ともに5段階のうち1.1以上と最も上昇した.
結論:本教育プログラムは,患者への対応力を高める効果の可能性が示され,看護基礎教育において効果的な教育手段となり得る.