日本看護科学会誌
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原著
未就学児を養育中の親のうつ症状に対するコペアレンティングと夫婦の愛情関係の影響
安野 さゆり武石 陽子中村 康香吉田 美香子吉沢 豊予子
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2023 年 43 巻 p. 174-182

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抄録

目的:子どもの成長に伴う負担などが変化する2~4歳児の育児期において,親のうつ症状に2つの夫婦関係(愛情関係とコペアレンティング関係)を含む要因がどのように影響するかを明らかにする.

方法:本研究は観察研究で,2~4歳児を養育中の男性136名,女性121名と対象とした.従属変数のうつ症状をCenter for Epidemiologic Studies Depression Scale(CES-D),独立変数の夫婦関係を夫婦関係満足度尺度(QMI)とコペアレンティング関係尺度(CRS)で評価し,重回帰分析を行った.

結果:男性のCES-DにはCRS(β = –.454, p < .001),女性のCES-DにはCRS(β = –.329, p = .002)とQMI(β = –.255, p = .015)が関連した.

結論:2~4歳の児を養育中の男女に共通して,よりよいコペアレンティング得点は低いうつ症状得点に関連することが明らかになった.

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© 2023 公益社団法人日本看護科学学会
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