2023 年 43 巻 p. 164-173
目的:妊娠期にがんと診断された妊産婦と家族に実施された助産ケアを記述することである.
方法:助産師7名に非構造化インタビューを行い,ナラティヴ分析を行った.
結果:15エピソードのテーマ及びサブテーマ,横断的比較検討により4つのテーマ(「妊娠の継続/中断,がん治療方法の選択,授乳に関して女性の選択を後押する」「妊娠・出産に伴いがん治療を受ける(受けない)女性にお母さんとして関わる」「がん治療と妊娠・出産・育児を連続したスパンで捉え家族全体にもたらす影響を捉えながら対応する」「複数の診療科や職種を超えて同じ方向を向く中で女性と家族に関わる」)が明らかになった.
結論:助産師の実践は,妊産婦と新生児のケアという助産ケアの価値観に基づき,女性を母親として見るという特徴があった.これらは妊娠期がん女性と家族へのケアにおける複数の診療科,職種間での連携,協働,支援をさらに進めていくうえで重要である.