2023 年 43 巻 p. 458-468
目的:広域合併自治体における過疎地域での支所保健師活動の構造を明らかにし,保健師人材育成の方向性を探る.
方法:過疎地域で支所保健師活動経験がある保健師8名に半構造的面接を行い,質的統合法(KJ法)で分析した.
結果:支所保健師活動の連携には,住民までも含む【広範におよぶ連携構築】とシステム化する【継続できる連携構築】の両面があり,【新たな地域づくりへの進展】を加えて双方向の善き循環を成していた.また【力量形成を要す支所業務遂行】が,保健福祉業務全般を担う【支所勤務での地区担当】と地区診断とPDCAによる【地域特性に基づく事業展開】の基盤となっていた.
結論:過疎地域の支所保健師活動の構造が明らかになった.長期俯瞰的指導と支所勤務経験者による公認の相談体制のもと,【力量形成を要す支所業務遂行】が全ての基盤となることが示された.今後の人材育成の方向性を見極めるのに寄与すると考える.