2023 年 43 巻 p. 469-476
目的:在宅で老老介護を行っている主介護者の生活満足度に影響する要因を明らかにする.
方法:訪問看護を利用している65歳以上の療養者とその介護を半年以上担う65歳以上の主介護者92名を対象に,聞き取り調査を行った.調査内容は,年齢,性別,介護期間,生活満足度,介護負担感,精神健康度,ストレス対処能力(SOC)であった.主介護者の生活満足度を従属変数とした多重ロジスティック回帰分析を行った.
結果および考察:分析の結果,主介護者の生活満足度が高い者は,低い者よりもSOCが高く,介護負担感が低下しており,介護期間,介護負担感およびSOCが関連していた.これは,主介護者のSOCが高いことにより介護に対するストレスを適切に対処できたため介護負担感が低下し,生活満足度が高くなったと考えられる.
結論:主介護者の生活満足度に影響する要因として 介護期間,介護負担感,SOCが重要であることが示唆された.