2024 年 44 巻 p. 188-198
目的:高齢者の看取りにおけるAHNの差し控え・中止をめぐる家族介護者の代理意思決定プロセスを明らかにする.
方法:9名の家族介護者へインタビューを行いM-GTAにより分析した.
結果:AHNの差し控え・中止をめぐる代理意思決定を行った家族介護者は,〈医療選択を迫られる動揺〉のなかで〈手がかりの探索〉を行い,〈胃ろう選択の回避〉や〈看取りの決心をかき乱す声〉から【いのちを見捨てるような自責】を抱え,〈時間を延ばすための点滴〉が〈治療なのか,延命なのか〉と自問しながら,『自然で穏やかな最期という望み』をもって,代理意思決定者としてではなく〈ただ家族であること〉から高齢者の最期を見守り,【不確かさと共に続く生活】のなかで代理意思決定の経験を意味づけようとしていた.
結論:家族介護者はAHNの代理意思決定に苦悩と葛藤を抱きながら高齢者を看取り,それぞれの関係性のなかで自身の代理意思決定の経験を意味づけようとしていた.