2025 年 45 巻 p. 121-131
目的:再発・転移がんサバイバーの療養生活における調和のプロセスを明らかにする.
方法:研究参加者16名を対象に半構造化面接を行いM-GTAを用いて分析した.
結果:調和のプロセスは,『ニュートラルな自分で生きる』を中核に据え,【変わりゆく状況に自己存在が揺らぐ】から【死を傍におき自分軸をもつ】【がんは自分の一部である】【自己の拡がりに気づく】自己認識の拡大プロセスで,【今あるものに意識を向ける】【安定した自分を確保する】方略との相互作用により支えられ促進されるものであった.『ニュートラルな自分で生きる』は,がんの再発や転移を繰り返すなかで生じる絶え間ない揺れに対峙する自己の在りようで,本プロセスの循環により強化されるものであった.
結論:『ニュートラルな自分で生きる』を中核に据え,自己認識とコントロール感覚の回復・拡大の促しが,最良な健康を保つ療養生活の支えになることが示唆された.