2025 年 45 巻 p. 236-245
目的:術前外来で行われている退院後の生活を見据えた看護実践を明らかにする.
方法:術前外来の看護師を対象に個別に半構造化面接を実施した.分析方法はクラウス・クリッペンドルフの内容分析とした.対象者別の逐語録を精読し,看護実践の語りを対象者の言葉のまま抽出し,内容が明瞭になるように文章で表しコードとした.対象者全体のコードを意味の類似性や相違性を検討して共通する項目ごとにサブカテゴリ化,カテゴリ化した.
結果:対象者は6名で面接時間は平均43分であった.分析の結果,術前外来における退院後の生活を見据えた看護実践は235コード,53サブカテゴリ,9カテゴリであった.
結論:看護師は,安全な周術期管理を目的に身体的準備を整える支援を看護師間・多職種と連携して行っていた.また,精神・社会的な情報から患者の思いや価値,生活状況を把握し,意思決定支援や術後の変化と共に生活していくための支援を重視していた.