日本看護科学会誌
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ドクターヘリにおけるフライトクルー搭乗パターンと現場滞在時間の関連
―フライトナースのOn-the-job training教育の影響―
菱沼 秀一野口 貴史金子 拓齋藤 達也林 健太郎菊池 仁和氣 晃司岩田 昇
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2025 年 45 巻 p. 319-326

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抄録

目的:フライトナースのOJT教育を含むドクターヘリのフライトクルー搭乗パターンにおける現場滞在時間の違いを明らかにする.

方法:栃木県ドクターヘリのデータベースから2010年~2021年に出動した6,957症例を分析対象とした.分析ではフライトクルー搭乗パターンによる3群,すなわちA群(フライトドクター1名+フライトナース1名+訓練生1名),B群(フライトドクター1名+フライトナース1名),C群(フライトドクター2名+フライトナース1名)の現場滞在時間について,多重比較を行った.

結果:現場滞在時間はA群18.5 ± 8.0分,B群19.3 ± 10.3分,C群16.9 ± 8.0分で,3群間に有意差が認められた(p < 0.001).フライトドクターが2名搭乗のC群よりもA群,B群は現場滞在時間が長かった.A群とB群では現場滞在時間に差を認めなかった.

結論:フライトナースのOJT教育を含む搭乗体制は,現場滞在時間を延長させずに教育と実践を同時に行われている実態が示唆された.

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