目的:産科医療機関の看護職を対象に,子ども虐待発生予防に向けた看護実践意識化プログラムの効果を検証することを目的とした.
方法:無作為化比較試験を介入群31名,対照群30名を対象に実施した.介入群にはEラーニングとグループワークによるプログラムを実施した.効果評価には,NES-CMP(子ども虐待発生予防に向けた看護実践自己評価尺度)と看護実践の意識,モチベーション,自信の割合および変化量を用いた.
結果:介入群28名(脱落率9.7%),対照群26名(脱落率13.3%)のデータを分析した.NES-CMPスコアでは両群に有意差はなかったが,看護実践の意識,モチベーション,自信の変化量では,介入群が対照群を有意に上回った.
結論:本プログラムは,看護実践における意識,モチベーション,自信の向上に有効であったが,より広範な対象者や効果の持続性を検討する必要がある.