目的:慢性疾患を有するハワイ在住日系移民高齢者を対象に,文化的背景がヘルスリテラシーの形成および健康行動にどのように関与するかを明らかにすることを目的とする.
方法:質的記述的研究デザインを用い,米国メディケア受給者9名に半構造的面接を実施した.
結果:ヘルスリテラシーは文化的背景と関連し,「我慢」「遠慮」「恥」といった日本的価値観は相談行動を控える姿勢と関連していた.一方,「自立」や「責任」は健康維持に向けた意識や行動と関連していた.また,英語力の低下や医療制度への不安は,健康情報の理解・活用を困難にする可能性が示唆され,日本語で安心して相談できる環境の重要性が示された.
結論:日系移民高齢者は,医師への信頼や家族への配慮を基盤に,自己管理と医療への委任の間でバランスを取りながら健康管理を行っていた.他者に委ねつつ主体性を保つ「他律的自立」に基づく健康管理が示された.