2026 年 46 巻 p. 584-592
目的:ICU看護師が患者に触れない場面に着目し,行動と認識の両面から「みえない形での看護実践」の実態を明らかにすること.
方法:2018年5月~2019年3月に実施した参加観察および面接調査で得た13事例のうち,患者に触れない時間が観察された5事例(10場面)を対象に比較事例研究を行った.
結果:CMCを参考に分析し,「みえない形での看護実践」として3つの意図と6つの実践上の要点を抽出した.これらは,患者を動かさない,情報量を抑える,対人距離を取るといった関わりを通して刺激を調整し,循環・覚醒・心理状態の安定を守る看護実践であった.
結論:この実践が成立する条件として,患者状態の継続的評価,患者の反応に応じた介入の切り替え,患者への負荷(刺激)を最小化する判断目的の3つが重要と考えられた.本研究は,これまで看護行為として捉えられにくかったクリティカルケア看護師の実践を明文化した.