日本看護科学会誌
Online ISSN : 2185-8888
Print ISSN : 0287-5330
ISSN-L : 0287-5330
助産婦の仕事における承認と仕事の満足度の関係
野口 眞弓
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 16 巻 3 号 p. 48-57

詳細
抄録
多くの助産婦は現在の仕事に満足しておらず, その原因の一つとして助産婦が仕事を認められることが少ないのではないかと考えた。助産婦が仕事をする上で他の人から認められ, そして助産婦自身も肯定的に仕事をとらえることを「承認」とし, このことから助産婦が満足できる仕事のあり方を探ることができると考えた。本研究の目的は, 助産婦の仕事における「承認」という概念を明らかにし, 承認に関係する要因を特定することであり, 病院で勤務する助産婦460名を対象に調査研究を行った。
その結果以下のことが明らかとなった。
1)助産婦の仕事における承認は,次の5つの要素から成り立っていた。それには, 上司から信頼され権限を委譲され, 医師から尊重され, 同僚から保証され, 患者やその家族と親しい関係がもて, 誰からも脅かされないことがあった。特に, 上司から信頼され権限を委譲されることは, 助産婦にとって大きな承認になることが認められた。
2) 承認に関係する変数には, 仕事の満足度, 自己尊重, 看護職の経験年数があった。高い承認を得るためには, 仕事に満足し自己尊重が高く, 看護職の経験年数が長いことが必要であることが明らかとなった。
3) 助産婦の承認を高める仕事のあり方には, プライマリー・ナーシソグと助産婦主導の分娩介助があった。プライマリー・ナーシング群は, チーム・ナーシソグ群に比べ統計学的に有意に高い承認を受けていた。また, 助産婦主導の分娩介助群は, 医師主導群に比べ統計学的に有意に医師からの尊重を多く受けていた。
著者関連情報
© 公益社団法人 日本看護科学学会
前の記事 次の記事
feedback
Top