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日本看護科学会誌
Vol. 23 (2003) No. 2 p. 1-11

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http://doi.org/10.5630/jans1981.23.2_1


当事者の視点から遺伝子診断による選択的中絶の意味を記述し, 看護への示唆を得ることを目的に, Cohenらの解釈学的現象学を用い, 同意の得られた場合に限り遺伝病の子どもを持つ夫婦3組の出生前遺伝子診断の参加観察と, 1名の研究参加者に3回の深いインタビューからデータを得た. 浮かび上がった主テーマ「つながりの破壊」と「障害者の存在に対する相反する価値との直面」を基に物語を再構成した.
出生前遺伝子診断では遺伝病という衝撃が生んだ,夫婦の心のすれ違いと障害の差異化によって破壊された人とのつながりの中で, 家族の中での犯人探し, 自己疎外, 障害者の存在の肯定と否定を招き, 選択的中絶によって相容れない価値観に引き裂かれ, 内なる優生思想と出会いつつ, あらたなつながりを希求することとなっていた.
よって看護には家族と社会とクライエントとのつながりに関心を払い,診療科を超えた継続的ケアが必要とされていることが示唆された.

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