日本看護科学会誌
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初妊婦における胎児に対するattachment(きずな)が新生児に対するattachmentに及ぼす影響
妊娠初期から出産後1カ月までの縦断的研究
佐藤 里織
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2004 年 24 巻 3 号 p. 72-80

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抄録
本研究の目的は, 妊娠期間の中でどの時期における母親の胎児に対する attachment が新生児に対する attachment に対して影響力をもつかを明らかにし, その背景の要因を探ることであった. 83名の初妊婦を対象に, 妊娠初期・中期・後期の3期と出産後1カ月の合計4回にわたり縦断的に調査を行った. その結果, 以下のことが明になった.
1) 妊娠3期における母親の胎児に対する attachment の中で, 後期における母親の胎児に対する attachment が, 新生児に対する attachment に対して影響力があった.
2) 後期の Prenatal Attachment Inventory (PAI) 得点の high 群と low 群とを比較した時, 後期の胎児に対する attachment が高い人ほど, 妊娠生活において夫の協力が得られ, 結婚に対する肯定感情が高く, 中期以降は, 胎動に対する喜びや赤ちゃんのことを考える頻度が高かった. 後期においては, 出産に向けて意欲的に取り組む傾向があった.
すなわち, 後期における母親の胎児に対する attachment が, 出産後の母親とわが子との関わりに重要となり, 妊娠期の医療者としての関わりにおいて, 後期における保健指導の重要性が示唆された.
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