におい・かおり環境学会誌
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研究論文
TiO2/光触媒フィルタによるホルムアルデヒドの除去特性
村上 栄造河野 仁志堀 雅宏小野 大介
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2006 年 37 巻 1 号 p. 23-32

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抄録
室内環境中のホルムルデヒド除去に光触媒技術の適用を検討した.光触媒反応では,いかに酸化分解反応を促進させて有害な生成物の発生を極力抑えるかが大きな技術的課題となっている.そこで,TiO2/光触媒をUVランプで挟み込んだ光触媒ユニットを用いて,分解除去性能を向上させることを試みた.内容積1m3の密閉容器で発生させた約100ppmのホルムアルデヒドを循環処理し分解除去特性を把握する実験をおこなった.その結果,ホルムアルデヒドはUV照射強度2.9mW/cm2以上あればほとんど二酸化炭素に酸化された.照射強度を強める,光触媒フィルタの面風速を遅くする,または光触媒ユニットを多段設置すると分解吸着性能が向上した.また,光触媒ユニットの3段設置では,ホルムアルデヒド分解で生成したギ酸を下流側光触媒フィルタで効率よく捕集し,ギ酸の気相中への放出量を抑制する手段として光触媒ユニットを多段設置することが有効であった.
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© 2006 (社)におい・かおり環境協会
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