日本視機能看護学会誌
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2 種類のインスリン製剤を使用する視覚障害者が 識別しやすいインスリン注射器具の検討
小泉 麻美
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ジャーナル オープンアクセス

2018 年 3 巻 p. 30-33

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抄録

目的:2 種類のインスリン製剤を使用する視覚障害者がインスリン自己注射を安全に行うためのインスリン注射器具を 検討する基礎的知見を得ること。 方法:インスリン自己注射の経験がない低視力シミュレーション状態の成人11 名とインスリン自己注射の経験を有す る中途視覚障害者10 名に識別しやすいペン型インスリンの調査を行った。識別課題は,ペン型インスリン製剤に通常 条件、黄色と黒のビニールテープを巻いた視覚条件、面ファスナーや点字シール等を装着した触覚条件に分類し,識別時間を計測した。 結果:触覚条件である既存のペン型インスリン製剤に面ファスナーを装着した物が最も識別時間が短く,識別の間違いがなかった。 考察:視覚障害者が2 種類のインスリン製剤を安心して使用する為には、触覚を有効に活用することが重要である。触覚を活用することで2 種類のインスリン製剤の識別容易性が向上すると考えられる。また、日常生活の中でインスリン自己注射の実施状況を確認し,インスリンによるアクシデントを未然に防止していくことが重要であると考えられる。

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© 2018 日本視機能看護学会
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