日本女子体育連盟学術研究
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健康運動としての太極拳の評価
主観的気分・ストレス・免疫機能からのアプローチ
笹本 重子阿部 絢子
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2008 年 2008 巻 24 号 p. 1-10

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抄録

太極拳が高齢者の健康運動として有用であるかについて, 免疫機能の指標として唾液中の分泌型免疫グロブリンA (SIgA), ストレスの指標としてアミラーゼ活性, 主観的気分の変化を気分プロフィール検査 (POMS) の測定により評価した。対象は週に1回太極拳の稽古を行っている男性3名, 女性19名であり, 測定は2005年11月と2007年8月に行った。アミラーゼ活性は太極拳稽古の前後で有意な差は見られなかった。POMSは「活気」項目において稽古後に有意に高い値を示した。安静時唾液分泌速度は2005年に比べ2007年に有意に低い値を示し, 安静時SIgA濃度は2007年に有意に高い値を示した。安静時SIgA分泌速度は2005年に比べ2007年の方が高い傾向を示したが, 有意ではなかった。これらのことから太極拳は, 高齢者の健康運動として有用であると考えられる。

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