日本精神保健看護学会誌
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原著
日本の認知症高齢者を在宅介護する家族介護者の体験のメタ統合
寺岡 貴子深堀 浩樹野末 聖香福田 紀子
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2021 年 30 巻 2 号 p. 39-49

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抄録

本研究では,日本の認知症高齢者を在宅介護する家族介護者の体験を明らかにするために,Noblit & Hareの手法によりメタ統合を行った.

対象論文は2008年以降で絞り込み,和文献9件,英文献2件を抽出した.分析の結果,家族介護者の体験は10カテゴリーに統合された.【主体的なストラテジーが構築】できる家族介護者は, 【介護を続けるための工夫】や【介護体験を意味づけ】ていた.一方,【介護をめぐる家族関係の乱れ】や【サービスの利用の難しさ】がある場合には,認知症を隠秘し,玄関を閉めるなど【被介護者の安全を守るための管理】が行われることが明らかになった.被介護者の安全と自立を守ることと,家族介護者自身の生活を守ることを両立できる家族全体のニーズに沿ったサポートを検討していく必要がある.

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© 2021 日本精神保健看護学会
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