2022 年 31 巻 1 号 p. 48-56
本研究は,医療観察法病棟の患者にとって,WRAPクラスの運営をスタッフとピアサポーターがともに行う意味を見出すことを目的とした.WRAPクラスに2クール以上参加した患者7名を対象とし,インタビューを実施した.内容を分析した結果,49のコードから,回復した当事者だからこその魅力,尊重し合い垣根を越えた関係性,支え合い高め合える居場所の3つのカテゴリと12のサブカテゴリが抽出された.結論としては,ピアサポーターのWRAPを使って回復した姿,スタッフとピアサポーターの対等な関係性や医療者と当事者の垣根を越えた関係性に希望を感じ,医療観察法病棟という強制管理下でも,WRAPクラスの場は,参加者同士が支え合いWRAPのスキルや回復に向けた意欲を高め合える居場所になっていたことが見出された.