2023 年 32 巻 1 号 p. 74-82
本研究は,精神看護学実習における患者-看護学生間の相互作用の中で,特に看護学生の自己開示の体験ついて明らかにし,精神疾患患者に寄り添った治療的関わりに向けた自己開示への教育への示唆を得ることを目的とした.対象は精神看護学実習を終えた学生9名で,半構造化面接法を実施した.逐語録を作成し,患者に対して自己開示をどのように体験したかについて,一つのまとまりあるストーリーとして抽出した.自己開示の体験ストーリーは,自己開示が関係性構築のきっかけとなったもの,患者からの質問や患者の自己開示に応えた自己開示,なかなか容易にできない自己開示の3つに分類された.
学生が自己開示に至るにはプロセスがあり,様々な感情を抱きながら患者との相互作用を続けており,教員,指導者やグループメンバーの指導やサポートが影響していた.