応用統計学
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研究論文
単一強スパイク固有値モデルにおける高次元平均ベクトルの2標本検定
石井 晶矢田 和善青嶋 誠
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2020 年 49 巻 3 号 p. 109-125

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抄録

本論文は,高次元データに対する平均ベクトルの2標本検定を考える.高次元統計解析において,高次元共分散行列の固有空間の構造に基づく理論と方法論の構築は,大変に重要である.特に,高次元ノイズ空間が理論と方法論にもたらす弊害は,一般に考えられているよりも深刻であり,それゆえに,高次元統計解析においては,ノイズ空間を如何に扱うかが,統計的推測の精度を保証するための鍵となる.本論文は,単一強スパイク固有値モデルとよばれる,高次元データの典型的なノイズモデルを扱う.2つの母集団における第1固有空間の異質性に着目し,高次元空間の特徴を生かした新たな2標本検定を考える.提案する検定手法について,高次元における第1種の過誤の確率と検出力を導出し,それらの漸近的な性質を論じる.さらに,性能についてシミュレーションによる数値的な検証を行う.最後に,提案手法を用いて遺伝子発現データを解析し,既存手法と比較のもと,手法の使い分けについて述べる.

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© 2020 応用統計学会
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