2017 年 56 巻 3 号 p. 81-88
NPO法人日本ジオパークネットワーク(JGN)と各ジオパークのウェブサイトから,日本のジオパークにおける地形・地質と第四紀に関する内容を分析した.その結果,地形を除いて,第四紀学的な内容のカテゴリー(第四系,土壌,考古,人類)の割合が小さいことが明らかになった.また,地形についても,第四紀学的な記述がなされていないことが多かった.各ジオパークで第四紀学的な内容を増やすためには,どこにでもあるあたりまえの地形,土壌,表層地質に関するジオサイトを発掘することが必要である.また,既存のジオサイトに第四紀学的な見方を取り入れることも必要である.そうすれば,各ジオパークにおいて第四紀に起こった現象の多様性,すなわち第四紀多様性という概念が確立されて,地域の持続的発展に資することになるだろう.