抄録
本研究では,離婚・別居前後のコペアレンティングを巡る父母間の合意形成過程に着目し,父母がコペアレンティングを選択していくプロセスを明らかにすることで,離婚後の安定的なコペアレンティング関係を築く上での要素を検討することを目的とした。離婚・別居を経験し現在も未成年の子どもと別居親とが関わりを維持している父母14名を対象に半構造化面接によるインタビュー調査を実施し,その結果を複線径路等至性アプローチ(TEA)を援用して分析した。結果,コペアレンティングの選択に至る多様な径路が明らかになるとともに,径路の違いがその後のコペアレンティング関係の安定具合に影響する可能性が示唆され,コペアレンティング関係の再構築に向かう上での初期プロセスの重要性が確認された。さらに,家族にとってのコペアレンティングの意義を父母で共有していくプロセスや,取決めのプロセス自体の納得性を重視した在り方が,離婚後の父母の安定的なコペアレンティング関係の構築に資する可能性が示唆された。