抄録
エンジンの設計・開発において,CFD(Computational Fluid Dynamics)などの MBD(Model Based Development)が行われている.エンジン筒内における実現象を表現するモデルのひとつに燃料噴霧モデルがある.これは,混合気形成過程を再現する上で重要となり,インジェクタの特性や雰囲気条件等に応じたモデル定数の同定が必要とされる.一般的に,燃料噴霧モデル定数の同定は,定容容器等で取得された噴霧可視化実験等の結果を用いて行われるが,その手法は確立されておらず,試行錯誤を伴う多大な工数が必要とされる.
本稿では,流体計算ソルバ(HINOCA)と最適化ソフト(mode FRONTER)を連成した効率的な噴霧モデル定数の同定方法を構築したので,その内容を紹介する