発達障害研究
Online ISSN : 2758-9048
Print ISSN : 0387-9682
デンマークにおける知的障害者の親元からの独立
立田 瑞穂
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ジャーナル オープンアクセス

2019 年 41 巻 1 号 p. 57-65

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抄録
本稿の目的は,デンマークの知的障害者の親元からの独立は,社会制度のなかでどのよう に進められているかについて整理し,Quality of life の視点から親元から独立することの意義や課 題を考察することである.現行の社会サービス法は,障害の程度に関係なく,知的障害者に住まい の提供を保障し,若い年齢で親元から独立することを可能にしている.義務教育終了後の教育・訓 練期間は,将来の自立生活への準備期間でもあり,家族以外の他者との関係のなかで生活する体験 を積み重ねていく.デンマークの知的障害者にとって,親元からの独立は権利の実現としてだけで なく,親とは違う自分の生き方を選択できる機会でもあり,社会参加としての意義を持つ.しか し,知的障害者本人に対する支援の度合いによっては,住まいの選択肢が限られ,また本人を取り 巻く環境が主に同じ知的障害のある人たちと支援者らで構成される傾向もみられる.
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© 2019 日本発達障害学会
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