抄録
米国特殊教育における最近の動向とその課題について,1対象者の認定と教育措置をめぐる変化,2教育予算の制約と影響,3特殊教育教員の不足と免許制度改革の観点から報告した.ま ず,特殊教育対象者の割合は全体的な増加傾向を示していた.同時に,認定上の障害カテゴリーの割合に増減が生じていた.「特異的学習障害」の減少に対し,「自閉症」と「その他の健康障害」の増加がみられた.また財政支援の制限を背景に,州のシステムが機能的限界に直面していた.テキサス州では,特殊教育予算の削減が政策的に展開された結果,対象者の顕著な減少が表面化した. 特殊教育教員の確保についても,全国的な重要課題となり,その職務上の負担や処遇の在り方が議 論されている.州の免許制度の基盤も変化しつつあり,効果的な仕組みづくりが模索されている段階にある.新しい動きと背景を継続的にとらえながら,課題解決のための検討を深めることが必要となっている.