抄録
フィンランドでは3段階の教育的支援により,特別なニーズのある児童生徒を含め,個々の児童生徒の教育的ニーズに柔軟に対応している.本稿では2017年に行った,フィンランドのヴィヒティ市とエスポー市にある基礎学校における,特別なニーズのある児童生徒に対する教育に関しての訪問調査について報告した.基礎学校2校と,それぞれの学校がある市の学校教育課2か所を訪問し,授業見学と特別教育担当者に対する聞き取りを行った.その結果,フィンランドにおいて特別なニーズのある児童生徒の教育は,原則は少人数クラスで本人に合った環境調整を行って 教育効果を高めることをまずねらい,そのうえで障害のある児童生徒と障害のない児童生徒が同じ教室で学ぶことが検討されていた.また,国により提示されたナショナルコアカリキュラムについ て,市の教育委員会がその枠組みを示しており,各学校のカリキュラムはその枠組みに基づき編成されていた.さらに,特別教育の担当教員は授業研究や教員間の情報交換を主に,専門性向上に務めていた.