発達障害研究
Online ISSN : 2758-9048
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知的発達障害者の支援を考える
生涯発達支援と地域支援の視点から
菅野 敦
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2021 年 43 巻 1 号 p. 14-25

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抄録
知的発達障害者の支援において重要な視点として「生涯発達支援と地域生活支援」がある. 人は生涯を通して発達している存在である.各ライフステージは,生涯を見すえて取り組むべき課 題や経験がある.「生涯発達支援」とは,生涯を見すえた課題を今,精一杯に支援することである. 今日までの知的発達障害者の支援を振り返ると大きく 4 期に分けて考えることができる.第 1 期の 支援は「安心と安全の場の提供」,第 2 期は「仕事や職業の提供」,第 3 期は「余暇支援」,そして, 第 4 期が「生涯学習支援とコミュニケーション支援」である.障害者の支援は,経済や国際的な影 響を受けながら変化してきた. 知的発達障害者にとって,成人期以降もさらに発達し,活躍していくことへの制限は知的な障害 があること.そして,加齢による高齢化である.この課題の解決のために,知的発達障害へのプロ グラムと健康で高齢に向かうことを支援するプログラムの構成として AAMR(9 版)による 10 領 域と,ICF の 9 領域をもとに,これらを再分類して『生涯発達支援と地域生活支援の 4 領域』とし て「かかわる」「くらす」「学ぶ・楽しむ」「はたらく」を考えた.人の生涯をこの 4 領域で考えた とき,ライフステージによって重点を置く領域が異なる.人生で最も長い成人期は,「生涯発達支 援マップ」をもとに,さらに年齢段階で細分化して「生涯発達支援と地域生活支援プログラム」の 構造と支援内容を明らかにする必要がある.
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© 2021 日本発達障害学会
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