抄録
本研究は発達障害児の行動支援計画を作成するためのリーダー研修について,特別支援教育コーディネーターを研修者として,研修を受けていない担任と行動支援計画を作成するために有効な内容を検討した.研修では,筆者が機能的アセスメントの理論と方法,担任との検討方法を講 義し,研修者が担任とペアで行動支援計画を作成した.研修後に,研修者は研修を受けていない担任と行動支援計画を作成した.2 グループ(各 8 ペア)に,時期をずらして研修を導入し,研修効果を反復的に分析した.結果,いずれのグループも研修の導入により,研修者の情報収集とそれに 基づく計画立案が向上し,導入しない場合は向上しなかった.非研修担任との作成でも行動支援計画の質は維持された.ただし,一部内容が不足する事例もあり,筆者の助言をもとに修正した行動支援計画によりすべての対象児に行動変容が見られた.リーダー研修として,研修者が実際の対象児で担任との検討方法を学ぶことと,作成した行動支援計画の質を確認することが重要であること が示唆される.