発達障害研究
Online ISSN : 2758-9048
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特別な支援を要する年長児の保護者に対する就学移行支援を目的としたペアレントトレーニングの実践
荻野 昌秀前川 圭一郎
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2022 年 44 巻 1 号 p. 75-85

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抄録
近年,特別な支援を要する児への早期支援が求められている.本研究では,就学移行支援としてのペアレントトレーニングを児童の就学予定の小学校にて実施し,効果を検討した.対象者は通常学級に就学予定で,個別療育を受けている,もしくは通級指導教室利用予定の年長児の保護者17名であった.全4回の講義および個別の対応検討の結果,対象児の不注意・多動・衝動性,行動問題の有意な低下が見られたが,行動問題は標準範囲内であった.保護者の養育ストレスは軽減した可能性があるが,精査が必要と考えられた.QOLについては有意な変化がなかった.一方で,インタビューの結果,本プログラムは短い学習時間で保護者が効果を実感し,家庭での実践も可能であることが明らかとなった.今後は保護者以外の第三者による評価や,評価尺度の検討,社会的妥当性の評価,対象児の行動の観察,フォローアップとその効果検証,小学校以外の場所で行うプログラムとの比較が望まれる.
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© 2022 日本発達障害学会
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