発達障害研究
Online ISSN : 2758-9048
Print ISSN : 0387-9682
「各教科等を合わせた指導」の実践上の課題と展望
─小学校および中学校特別支援学級における生活単元学習の実践を対象として─
長江 清和
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 44 巻 3 号 p. 245-251

詳細
抄録
小学校および中学校特別支援学級の半数近くが知的障害の学級である.知的障害の学級では,小学校学習指導要領等の各教科の目標および内容で教育課程を編成することが難しい.そのため,特別支援学校学習指導要領に基づいた特別の教育課程編成は,特別支援学級担任の必須の専門性である.しかしながら,インクルーシブ教育システム構築の流れと学習指導要領の改訂に伴い, 通常の学級の教育との学びの連続性が求められている.それを理解して実践する専門性は,特別支援学級担任の課題になっている.また「個別最適な学び」とともに「協働的な学び」の実践が求められており,生活単元学習等の「各教科等を合わせた指導」を実践する専門性も課題になっている.そこで,初めて特別支援学級担任になって生活単元学習の実践に取り組んだ教員の実践を,授業研究をして検討した.またその実践を省察して,「各教科等を合わせた指導」の実践する専門性を向上させるために必要な観点を,具体的に提起した.
著者関連情報
© 2022 日本発達障害学会
前の記事 次の記事
feedback
Top