2019 年 17 巻 2 号 p. 109-119
大島町では、2013年10月16日に伊豆大島で起こった土砂災害後の避難率が顕著に低下した。
そこで、避難を促すための手立てとして、住民自らが土砂災害リスクや避難行動に関する問題点とその対処方法について意見交換を行うグループワークを一部の地区で実施し、避難率の向上が見られた。また、適切な避難勧告・避難指示(緊急)の運用のために、土砂災害と降水量との関係を用いて、避難勧告の空振りを減少させる運用を行っている。さらに、過去61年間の土砂災害の事例を基に土石流発生の危険性に関する降水量の指標値を求めて避難指示(緊急)の基準とした。
これらの検討や運用において、大島町役場・大島支庁・大島警察署・気象庁伊豆大島火山防災連絡事務所が連携した共同検討体制が重要な役割を果たしている。