抄録
音速が深さの関数として指数関数に従って減少する海面antiwaveguide内の音場の近似解析法及び音波伝搬現象について、周波数領域及び時間領域において検討した。音場を表す積分の評価に新たな最急降下積分回路を選ぶことにより、照射領域にわたる音線解を導出した。影領域における音場表示式として、幾何音線的回折理論(GTD)の適用による回折波解を導出すると共に、遷移領域における音場計算法として、GTDを拡張した表示式を提案した。上記の各近似表示式の有効性は、ノーマルモード理論による基準解との比較により数値的に明らかにした。音波伝搬現象の物理的な解釈上、新たに導出した時間領域における近似表示式は有効であることを示した。
