日本音響学会誌
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論文
出力追従制御を応用したトランスオーラル再生制御器の設計
松井 健太郎菅谷 真帆足立 修一
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2017 年 73 巻 5 号 p. 281-290

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抄録

非干渉化制御を援用した状態空間での出力追従制御と,この制御を応用したトランスオーラル再生制御器の設計を提案する。トランスオーラル再生では,受聴者の頭部運動や受聴環境の変化など,外乱による再生品質の劣化がしばしば問題となっている。提案法では,これら外乱入力に対するロバスト性能の評価指標としてHノルムを用い,これを最小化する凸計画問題として制御器の設計を定式化する。ラインアレイスピーカを用いた実測と計算機シミュレーションを実施し,提案法によりHノルムを小さく抑えたトランスオーラル再生制御器が設計可能であること,Hノルムが小さくなるほど外乱入力により生じるひずみの拡大が抑制されることを確認した。設計される制御器の出力追従性能は,再生音場のモデル化精度に依存する。このモデル化精度と計算コストとのトレードオフについても考察した。

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© 2017 一般社団法人 日本音響学会
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