抄録
本研究は、B2Cネットビジネスにおける差別化の要因についての研究である。「リアルビジネスとネットビジネスでは、ビジネス特性及び顧客行動の違いがあり、リアル企業と異なるネット独自の差別化要因が存在している」のかどうかを確認することが本研究の目的である。たとえば、ネットでの購買(利用)プロセスはウェブシステムを介して提供され、それはリアル店舗とは異なる顧客の体験(オンライン体験)を伴うものである。本研究では、顧客がおもに利用しているサイトについて、それを知った理由、利用している理由、スイッチした理由についてアンケート調査を行った。その調査結果から、ネットでの顧客のサイト選択への影響要因を分析する。そして、顧客の選択行動により影響力が高い要因がネットビジネスにおいて影響力がある差別化要因だと考える。この分析の結果、利用している理由としてオンライン体験要因が、スイッチした理由としてネットチェーン要因(ネットの機能を利用したone to oneサービス)が一定の影響力を持つことなどがわかった。また、差別化要因の影響力は、ビジネスの特性によって差があることもわかった。本研究では、ビジネスの特性を、製品·サービスのネット独自性、市場の独占度、市場の競合性などに着目して把握する。たとえば, ネットビジネスに特徴的な要因であるオンライン体験の差別化要因としての影響力は、市場の競合性が高いほど強い。