2022 年 17 巻 p. 16-28
本研究では造血幹細胞移植後患者の身体違和感はどのようなものなのかを明らかにし、患者のライフコントロールへの影響を検討した。9名の対象者に半構成的面接を行い、Giorgiの記述的現象学的方法により分析を行った。その結果、患者は【皮膚に人が入っている】、【妙なことに味覚が敏感になる】、【原因がわからない突然の嘔吐】、【こんなに筋肉なかったっけ】、【自分で気をつけるという次元でないところで何かが巻き起こっている】などの身体違和感を体験していた。患者は身体違和感をもとに身体の状態を判断し、さらに身体違和感を避けることや受け入れることでライフコントロールを行っていた。看護師は移植後、患者が自分の感覚に注意し、身体違和感を何らかのサインと捉え、ライフコントロールにつなげられるように援助してく必要がある。