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平成30年台風21号は、強い勢力を保ったまま9月4日12時に徳島県南部に上陸し、紀伊水道を抜けて同日14時に神戸市に再上陸した後に日本海に抜け、近畿地方一帯に甚大な強風被害を残した。大阪府には65,000棟余りの住家被害が発生しており、被害の全貌を把握することが困難な上に、和歌山県北部の被害状況は長期間にわたって不明という状態が続いていた。そこで、小型飛行機を用いた航空調査を実施し、大阪府南部と和歌山県北部を対象に住家屋根に掛けられたブルーシートの分布状況を調査した。また、大阪府南部のブルーシート数と被災住家数の関係から和歌山県北部の住家被害数を推定した。