都市内の一般道路で発生する交通渋滞は、季節・天候・曜日・時刻で異なる交通需要パターンや、都市内に設置された信号による制御などの影響により、複雑な様相を示す。そのため、渋滞の発生場所や時刻、その延伸・縮小過程、継続時間などで表される渋滞発生状況を定量的に把握することは難しい。
本研究は、大量のデータから典型的なパターンを抽出する頻出データマイニングを拡張した分析手法を用いて、那覇市周辺で長期間・継続的に観測された車両感知器データから、朝夕の通勤・帰宅時間帯において日常的に発生する渋滞が、周辺道路に影響を及ぼす過程の抽出と可視化を行った。曜日や降雨の有無によって異なる渋滞波及過程の分析を通して、都市内の渋滞発生状況把握における車両感知器データのマイニングに基づく分析手法の有用性を確認した。