消費者が商品に与える評価は官能評価と日常場面とで異なる場合がある.本研究では,テイスティングを行う状況が飲料の美味しさに与える影響を検討した.三つのグループが異なる状況でブラインド・テイスティングし,飲料の美味しさを評価した.その結果,日常的な状況で飲料を飲んだ参加者は,官能評価としての実験に参加し複数の味覚特性について評定した参加者と比べて,飲料の美味しさを高く評価した.官能評価状況ではあるが複数の特性について評価することは求められなかった参加者が飲料に与える評価は,他の2条件の中間に収まった.テイスティング状況によって美味しさの評価が変化した理由について論じた.