抄録
本論文は,2台のビデオカメラを用いた高速な3次元物体復元手法を提案する.近年,立体テレビのコンテンツ制作技術の一つとして,移動カメラによる高速な3次元復元手法の確立が望まれている.しかし,現在確立している3次元復元手法では,高速な復元は可能であるが,移動カメラに対応できない.そこで,我々は,Sugimoto&Xuの3次元静止物体復元手法を簡単化することにより,モバイルカメラへの拡張が可能な,2台の固定カメラによる3次元物体復元手法を提案する.さらに3次元復元処理のほとんどの処理を構成し,コンピュータへの大きな負荷となっている行列演算処理の高速化によって,3次元復元処理全体の高速化を図る.提案手法を用いて静止物体の3次元復元を行った結果,復元計算は650μsで行えた.このことから提案手法の有効性が確認された.