バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌
Online ISSN : 2424-2578
Print ISSN : 1345-1537
ISSN-L : 1345-1537
タッチセンサ付ディスプレイによる目立ち度の構成要素の解析
森 文彦図子 夏彦菅野 直敏
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2013 年 15 巻 2 号 p. 55-61

詳細
抄録
「人は,入力画像中のいかなる対象物を目立つ対象物として抽出するか」,また,「その判断は,いかなる要因に基づいて行われるか」ということを知ることは人工知覚を実現するために極めて重要なことである.これまでに,脳の視覚野などに存在する種々の同心円型のDOGフィルタによって抽出されるコントラストが要因として取り上げられてきた.本研究では,コントラストが唯一の要因ではないと考え,その他の重要な要因として,「視野内の位置(偏心量)」や「対象物の大きさ」を取り上げた.そしてこれらの量と目立ち度の関係についてタッチ付ディスプレイを用いて定量的に調べた.その結果,1)偏心量とともに目立ち度は単調に減少する,2)下視野の方が上視野に比べて目立ち度は有意に高い,3)左視野に比べて右視野の方が目立ち度は有意に高い,4)右上視野と左下視野の目立ち度には統計的有意差はない,5)対象物の大きさに伴って目立ち度は単調に(対数関数的に)上昇することが分かった.
著者関連情報
© 2013 Biomedical Fuzzy Systems Association
前の記事 次の記事
feedback
Top