抄録
在宅で認知症を介護する男性は年々増えている。最近の報告では、介護にかかわる事件の約2/3は、男性介護者である。介護を抱え困ったことがあっても悩みを人にうちあけない、相談しないなど、ソーシャルサポートに繋がることができない男性介護者の問題点が報告されている。しかし、現在、男性介護者の特徴や抱えている問題を客観的に測定するための対処尺度はない。今回の研究の目的は、男性介護者の対処尺度の項目を検討することである。まず、先行研究から男性介護者の対処における記述を抽出し既存の尺度と照合した。次に認知症療養者を在宅で介護している男性9名へ対処について調査を行った。さらに専門家と男性の対処について検討し、既存の対処尺度19項目に納まりきれない2項目を、新たに対処尺度の項目として追加した。