バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌
Online ISSN : 2424-2578
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画像処理による眼底写真の診断支援
増井 重弘佐藤 秀昭横須賀 拓也井上 直也
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2000 年 2 巻 1 号 p. 19-27

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抄録

眼底写真は動脈・静脈を体外から直接見ることができる唯一のものであり、健康診断などに用いられている。医師はその血管の形状(色, 形や走行の仕方)を知り、病状の有無や進展を診断している。しかし、健康診断の眼底写真は膨大な量であるため診断するのに時間がかかる。そこで、医師の負担を軽減するために眼底写真の診断を画像処理により自動化して数値表示する医師の診断支援システムを構築する。眼底写真は写真毎にすべて色調が異なり、通常の画像処理では診断部分の細い血管の輪郭線を自動的に抽出することが難しい。我々は眼底写真の血管輪郭線をファジィクラスタリングを用いて抽出した。このファジィクラスタリングの手法は同時に2つの異なるパラメータを一定の値で設定して2種類の輪郭線画像を作成しこれを合成補完することにより色調が異なる画像でも原画像の血管をほぼ正確に抽出できる。したがって眼底写真の診断箇所の血管輪郭線が自動的に抽出でき、この輪郭線により血管の状態を数値化できる。この結果眼底写真の診断が容易にでき医師の負担を軽減することができた。

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© 2000 Biomedical Fuzzy Systems Association
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