日本醸造協会誌
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解説
大豆煮汁由来アンジオテンシンI変換酵素阻害物質の単離と高血圧自然発症ラットに対する降圧作用
竹中 哲夫
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2009 年 104 巻 11 号 p. 858-865

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抄録

味噌,醤油,納豆製造時に副生する蒸煮廃液(大豆煮汁)は排水処理にコストがかかるので,その有効利用が求められている。そこで,著者は大豆煮汁に含まれるアンギオテンシンI変換酵素(ACE)阻害物質として,ニコチアナミンを分離・同定した。さらに,このニコチアナミンを高血圧自然発症ラット(SHR)に投与して,降圧作用を認めた。したがって,大豆煮汁は脂質やタンパク質などの夾雑物が少ないので,ニコチアナミンの供給源として期待できるので解説いただいた。

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© 2009 公益財団法人 日本醸造協会
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